UNDPと横浜市がウクライナのオデーサにおける社会インフラ復旧のため提携

横浜市とUNDPは、協力趣意書に署名し、ロシアとの全面戦争で被害を受けたウクライナのオデーサ市にある保育園などの社会インフラの復旧を行う。

2024年7月1日

左からヤコ・シリアーズUNDPウクライナ常駐代表、山中竹春 横浜市長、ハジアリッチ秀子UNDP駐日代表

Photo: UNDP Tokyo

横浜市、2024年7月1日 — 国連開発計画(UNDP)と横浜市は、ウクライナ、特にオデーサとその周辺地域で高まる復旧・復興支援の現地ニーズに対応するため新たな提携を開始しました。

新たな提携は、横浜市、オデーサ市、そして日本とウクライナの人々の絆を強化することも目的としています。横浜市とUNDPウクライナは、ロシアのミサイル攻撃で被害を受けた第141保育園の修復を支援することから協力を開始します。

この取り組みは、保育園の3つある主要な建物、すなわち文化遺産に指定されている本館、2階建ての保育棟とその寮、そして修復が必要な新しい建物の再建に重点を置いています。新たな取り組みの目標は、UNDP、横浜市、ウクライナの地方自治体間の連携を通じて、オデーサの子供たちに安全な教育環境を作り出します。

UNDPは、日本政府が資金拠出するプロジェクトを通じて、保育園3棟の建物の修復を支援します。新たなパートナーシップによる協力を通じて、保育園の建物に子どもたちにとって必要とされる設備と教育教材の完備を行います。

ヤコ・シリアーズUNDPウクライナ常駐代表は、この新たなパートナーシップの重要性を強調し、「この提携は、UNDPがウクライナ国外の自治体と提携してウクライナ現地の復興活動を支援するという、先駆的な協力です。横浜市との連帯とリソースを共有することで、オデーサの復興を促進し、市内の子どもたちを支援することを目指しています」と述べました。

オンラインで参加したヤコ・シリアーズUNDPウクライナ常駐代表

Photo: UNDP Tokyo

ハジアリッチ秀子UNDP駐日代表は、59年に渡る横浜市とオデーサ市による協力及び信頼関係を強調し、「私たちは、横浜とオデーサの協力関係を基盤に、新たな連携を通じて、6月にベルリンで開催されたウクライナ復興会議での優先課題である地方自治体支援に取り組んでいきます。UNDPは、脅威やリスクに直面したコミュニティにおける人間の安全保障や強靭性を強化するために、地方自治体に寄り添いながら取り組みを支援していきます」と述べました。

ハジアリッチ秀子UNDP駐日代表

Photo: UNDP Tokyo

山中竹春横浜市長は、ロシアによる侵略の開始から2年以上が経ち、ますます厳しい状況に置かれているウクライナの人々に思いを馳せ、「これまで、オデーサの皆様、ウクライナの皆様を少しでもお支えしたいとの思いで、現地の皆様への支援、また、横浜に避難された方々への支援に取り組んでまいりました。今後、国連開発計画の皆様と手を携え、オデーサ市の復旧・復興に引き続き貢献し、国際社会の平和と発展に貢献してまいります」と述べました。

山中竹春 横浜市長

Photo: UNDP Tokyo

ゲンナジー・トルハノフ・オデーサ市長は、この支援に感謝の意を表し、「本格的な侵攻が始まって以来、オデーサの病院、学校、保育園は空襲の標的となっています。このような破壊行為により、子どもたちが学び、遊ぶための安全な場所が危険にさらされています。私たちは、これらの重要な施設の復旧を支援する国際パートナーに深く感謝します」と述べました。さらに「横浜とUNDPによる提携文書の調印は、オデーサ、横浜、UNDPの多国間イニシアチブを裏付けるものです。私たちは力を合わせれば、子どもたちに幼少時代の重要な一部を取り戻すことができるです」とトルハノフ市長は加えました。

背景:全面戦争が始まって以来、UNDPウクライナはオデーサ市民と市の重要なインフラを支援してきました。学校や病院などの被害を受けた公共施設の復旧を支援し、防空壕(シェルター)を設置し、非常用電源装置を提供し、地元の起業家を支援することで市の経済復興を支援してきました。

この取り組みは、1965年に姉妹都市となって以来、行政、文化、医療交流を通じて活発な関係を維持してきた横浜市とオデッサ市の長年にわたるパートナーシップに沿ったものです。ロシア連邦による全面侵攻後、横浜市は移動式浄水器や寒冷地用物資を含む緊急人道支援を提供しました。2023年3月には、技術協力の促進を通じてオデーサ市および近隣都市の都市インフラの復旧・復興と持続可能な開発を支援するための覚書を締結し、取り組みをさらに強化しました。