UNDPと日本の支援で、未来のウクライナ法律家が刑事司法の事例を学ぶ

ロースクールの学生を対象に刑事司法に関するサマースクールがリヴィウ(ウクライナ)で開催

2024年8月27日
a group of people sitting at a table
Photo: UNDP Ukraine / Orest Filin

2024年8月16日 リヴィウ(ウクライナ)発 – UNDPウクライナ事務所と日本政府の支援の下、ロースクールの学生を対象に刑事司法に関するサマースクールがウクライナ西部の都市リヴィウにて開催されました。本スクールはウクライナ最高裁判所、ウクライナ・カトリック大学法学部、キーウ・モヒーラ・アカデミー国立大学法科学部をパートナーとして、ジャスト・グループ(Just Group PLC)によって企画・運営されました。5日間を通して、30名の学生が刑事司法におけるベストプラクティスを探り、経験豊富な法律家たちと交流、さらに刑事司法とその他の司法制度との違いについて学びました。

UNDPウクライナ事務所で民主的ガバナンスチームリーダーを務めるオレーナ・ウルスは、このような取り組みは裁判の原則と人権の尊重に基づいたウクライナの復興において非常に重要であるとし、「ウクライナのすべての人々は戦時下で、大切な人の死、破壊、資産と収入の喪失、強制避難といった前例のない課題に直面しています。このような状況の中、人々は司法に助けを求めます。そのため、司法機関が効果的に機能することは非常に重要なのです。また、誰一人取り残さないために、司法へのアクセスと法の支配が不可欠です。UNDPは、効果的で人間中心の刑事司法制度は司法システム全体の信頼醸成に寄与すると信じています」と述べました。

最新のウクライナにおける人権に関する調査「ウクライナ人は人権について何を知り、何を考えているのか」によると、効果的な司法制度の高い関連性を指摘しており、権利を守る手段に関する人々の認識の移り変わりを明らかにしました。具体的には、ウクライナ人が考える権利を守る手段として、2016年以来初めて、『裁判を起こす』:29.5%や『警察に行く』:28.5%など正式な手続きが最も多い意見となっています。前回まで一番多かった、『メディアで訴える』は今回3番目となりました(20%)。また、『法律家や無料の法律扶助制度に助けを求める』が4位でした。

これらの調査結果は、効果的で人間中心の司法制度を確立することの重要性を示しています。

ジャスト・グループのヴァシリーナ・ヤヴォルスカ代表は、若者と将来の法律家たちと共に働くことの重要性を強調し、「このサマースクールでは、刑事司法制度がどのように機能しているのかを示し、ロールモデルとなる実務家たちを紹介し、この分野での躍進と司法制度の変革に関して学生たちを鼓舞しました。ですが、これらは始まりに過ぎません。」と語りました。

刑事司法に関するサマースクールは、日本政府が資金拠出し、UNDPウクライナ事務所によって実施されている「ウクライナにおける人間の安全保障のための変革的復旧事業」の一環として、ウクライナ最高裁判所、ウクライナ・カトリック大学法学部、キーウ・モヒーラ・アカデミー国立大学法科学部をパートナーとして、ジャスト・グループによって企画・運営されました。