日本投資家ロードショーの振返り:UNDPの『Meet the Tôshikas』プログラムを通じたアフリカのスタートアップ支援

2024年10月21日
テーブルに座っている人々のグループ

6社のスタートアップ企業と3社のアクセラレーター/投資家が日本投資家ロードショーに参加

UNDP Africa

アフリカにおける革新的なテクノロジー主導型ソリューションへの需要の高まりは、近年の企業のイノベーションや政府の政策にも反映されています。アフリカ大陸におけるスタートアップの成功と成長を支える要因のひとつとして、スタートアップ・エコシステムのステークホルダーによるタイムリーな資金調達と強力な支援が挙げられます。

しかし、アフリカ各地域におけるダイナミックなスタートアップ・エコシステムに関する公開情報の不足は、しばしば投資の躊躇を招いています。この課題は、投資家との事前の接触やコミュニケーションが限られていることから生じる、スタートアップの投資準備支援プログラム(能力開発トレーニング)における大きなギャップによってさらに深刻化しています。

2023年、国連開発計画(UNDP)はアフリカ・サステイナブル・ファイナンス・ハブを通じて「Meet the Tôshikas(日本語で投資家)」プログラムを開始しました。このプログラムは日本の経済産業省(METI)からの支援を通じて、アフリカのスタートアップ企業がエコシステムの潜在力を最大限に活用し、資金調達のニーズに対応し、成長の可能性を開花させることを目的としています。

2024年8月、このプログラムの一環として、都内で投資家ロードショーが開催されました。アンゴラと南アフリカから選抜された6社のスタートアップと3社のアクセラレーター/投資家が、日本の19社の企業や団体を訪問し、30名以上の投資家やビジネスリーダーと交流する機会を得ました。また、日本の政府機関や有力大学の起業支援センターとも対話し、日本のスタートアップエコシステムに関する知見を深めました。

コンピューターの前のテーブルに座っている人々のグループ

(左)JETRO本社を訪問 (右)セミナーの様子

このロードショーは日本企業から大きな関心を集め、多くの企業がスタートアップとの追加ミーティングを希望しました。6社のスタートアップは相互に興味を持ち、ロードショー活動(TICAD、1対1のミーティング、ピッチイベント)を通じて、少なくとも3つの日本を拠点とする組織(TICAD参加企業を含む)と継続的に話し合いを進めています。

さらに、UNDPは参加3カ国(南アフリカ、ザンビア、アンゴラ)のスタートアップ・エコシステムに関するレポートを作成しました。これらのレポートは、日本企業や投資家に配布され、アフリカのスタートアップ事情への理解と関心を深めるために役立っています。レポートでは、スタートアップ・エコシステムを包括的にマッピングし、主要なプレーヤー、資金源、投資環境、さらなる発展の可能性を明らかにしています。(詳細は、以下のスタートアップ・エコシステム・レポートをご覧ください。)


本記事へのお問合せ:

原祥子 | UNDP サステナブル・ファイナンス・ハブ地域事務所(在南アフリカ) プログラム専門官  (sachiko.hara@undp.org)

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