アフリコンバース2024第3回 Open Innovation ー 総合知が開く若者によるアフリカ工業化の未来 ー

UNDPとJICAは、2018年6月より、TICAD(アフリカ開発会議)とアフリカ開発をテーマにした対話型イベント「AFRI CONVERSE(アフリコンバース)」を共催してまいりました。通算19回目となる今回は、長岡技術科学大学とともに、アフリカの開発課題について有識者や若者のイノベーターがパネル形式で議論する対話型イベントを開催します。

2024年8月2日
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UNDP Africa
Event Details

20 8月 2024

18:00-19:30(日本時間)/12:00-13:30(東アフリカ時間)

ミライエ長岡 ミライエステップ(オンライン配信あり)

アフリカは豊富な天然資源を有していることで知られていますが、この大陸の将来の発展にとって最も重要な推進力の一つは人的資本です。2050年までにアフリカの人口は約25億人に達し、世界の人口の4分の1を占め、平均年齢は25歳になると予測されています[1]

現在、この若年層の重要性はかつてないほど高まっており、「アジェンダ2063」の七つの願望の一つとして、若者の可能性を育み活用する必要性が挙げられています。持続可能な未来を共に創造するにあたり、アフリカと日本の若者がこのプロセスに積極的に参加する必要性は、東京国際アフリカ開発会議(TICAD)の30周年を迎える節目に再認識され、2024年8月に開催されるTICAD閣僚会合でも焦点となる予定です。

最近、国連開発計画(UNDP)は、若手イノベーターの育成と彼らの起業家としての道の開拓を目指し、アフリカ全域のスタートアップエコシステム構築イニシアチブ「Timbuktoo(ティンブクトゥ)」の一環として、大学イノベーションポッド(UniPod)を開始しました。このUniPodはアフリカ13カ国に設立され、パートナーのネットワークを活用して、提携する大学生が、イノベーションとデザイン思考に従事し、アフリカの若者の間でスケーラブルかつ影響力のある起業活動を支援することを目的としています。例えば、マラウイのサリー・マワイ・チャンガヤとソニア・カチャレは、UniPodの支援を受け、低リソース環境での医療提供を改善する「フローアシストIV点滴モニター」を開発し、医療を変革しています。

2019年には、日本国際協力機構(JICA)と長岡技術科学大学が、「KOSENオープンイノベーション」プログラムを立ち上げました。この取り組みでは、日本全国の高専チームが参加し、アフリカのパートナーとともに現地で実証試験を行っています。このイニシアチブを通じて、アフリカと日本の若者のネットワークが生まれました。例えば、長岡高専の学生チームは、ケニアのスタートアップ企業と協力して、廃棄物管理と家畜飼料の分配を効率的に行うプロトタイプの機械を開発しました。

これらのイニシアチブは、研究開発(R&D)への投資が低いことに起因する問題など、学際研究で社会問題を解決しようとする革新的なビジネスアイデアを持つ大学生が多く直面する課題に対処するために生まれました。実際、アフリカのR&D投資は世界平均の4分の1に過ぎず、これにより、アフリカの起業家は、最新の技術、新しいプロセス、革新的な製品へのアクセスが限られ、世界的および地域的に競争する能力が妨げられています。

例えば、R&Dの資金不足により、多くの優秀な研究者や革新者が、資金やリソースを求めて、より豊富な機会がある海外に流出してしまいます。この「頭脳流出」はアフリカの社会経済的発展を妨げ、年間約20億ドルの損失を引き起こし、研究、革新、医療に影響を与えています。さらに、起業家は資金へのアクセスを含む支援的なエコシステムに大きく依存しますが、低いR&D投資は、ハイリスク・ハイリターンの革新的なプロジェクトに対する資金やベンチャーキャピタルの不足を示しています。

このような背景の中で、上述の取り組みはアフリカと日本の若者、特に大学生の間で起業家精神を育成し、技術的なギャップを埋める重要な役割を果たしています。2025年8月に横浜で開催されるTICAD9に向けて、本イベントではこれらの先駆的な取り組みの影響と教訓を検討し、アフリカと日本の間での革新的な解決策の共同創造を加速する方法を模索し、研究、開発、製品/プロトタイプの開発のギャップを埋める方策を見出します。


〈開催概要〉

  • 日        時:2024年08月20日(火)18:00~19:30(日本時間)
  • 共催機関:国際協力機構(JICA)、国連開発計画(UNDP)、長岡技術科学大学(NUT)
  • 開催形式:ハイブリッド開催
    ・対面開催場所:ミライエ長岡 4F ミライエステップ (〒940-0062 新潟県長岡市大手通2丁目3番地10)
    ・オンライン配信:Zoom
  • 参加費用:無料
  • 言     語:日本語・英語・仏語
  • 参加登録:


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プログラム:

18:00~18:02     イントロダクション
18:02~18:05     開会
18:05~18:08     祝辞
19:08~19:23      シーン・セッティング
18:23~19:27     パネル・ディスカッション
19:27~19:30     閉会


登壇者(敬称略): 

  • アフナ・エザコンワ UNDP総裁補兼アフリカ局長
  • 中村俊之 JICA理事長特別補佐
  • 加藤兼司 長岡技術科学大学特任教授・Daido Kogyo Co., Ltd. 社長室上席部長
  • ジョゼ・カルロス・サントス マネージング・パートナー アセレラ(アンゴラ)
  • 齋藤祐功 長岡技術科学大学大学院生
  • サリー・ムワイ・チャンガヤ マラウイ・ビジネス・応用科学大学(Malawi University of Business and Applied Sciences) 医用生体工学学生

モデレーター :

  • 上野修平 JICAアフリカ部次長(計画・TICAD推進課担当) 

アフリコンバース:

UNDPとJICAは、2020年6月からTICAD(アフリカ開発会議)とアフリカ開発をテーマにした対話型イベント「AFRI CONVERSE(アフリコンバース)」を共催しています。このイベントは、過去のTICADで取り上げられた開発課題のフォローアップと2025年に開催予定のTICAD 9に向けた議論を促進するためのものであり、国内外の多くの方々の参加が期待されています。


お問い合わせ:

  • JICA アフリカ部 計画・TICAD推進課 渡守麻衣 Tomori.Mai@jica.go.jp
  • 長岡技術科学大学 技学研究院環境社会基盤系 助教 渡利高大 watari@vos.nagaokaut.ac.jp
  • UNDP アフリカ局 TICAD連携専門官 近藤千華 chika.kondoh@undp.org